【賃貸物件の仲介手数料無料はなぜ?】不動産会社の仕組みとデメリット

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【賃貸物件の仲介手数料無料はなぜ?】不動産会社の仕組みとデメリット

こんにちは!ひろポンプです。

お部屋探しをする上で『仲介手数料無料』と謳っている不動産会社ってよく見かけませんか?

賃貸物件を契約する際にかかる費用を抑えられるのは嬉しいですが、仲介手数料無料の不動産会社はどこで利益を取っているか不思議に感じる人も多いのではないでしょうか。

  • そもそも仲介手数料ってなぜかかるのか教えてほしい。。
  • 仲介手数料なしの不動産会社はどこから利益を取ってるの?
  • 仲手無料にしている業者を選ぶデメリットが知りたい、、

その他にも上記のような『仲介手数料無料』に関する疑問を持つことはきっと少なくないはず。

そこで今回は、【賃貸物件の仲介手数料無料はなぜ?】不動産会社の仕組みとデメリットというテーマで話を進めていきます。

この記事の筆者
  • 賃貸仲介・賃貸管理・売買仲介など約7年の実務経験あり
  • 宅地建物取引士・FP2級・簿記2級を保有しています
  • フリーランス宅建士として『ひろポンプ不動産』を運営中

今後も賃貸物件を探す上で、仲介手数料が発生する不動産業界の仕組みを覚えておくことで、役に立つ機会が非常に多いはずです。

今回解説していく内容は、不動産会社で働かない限り、知り得ないであろう情報ばかりです。

ただかなり複雑な内容なので、分かりやすいように図を用いながら説明を進めていきます。理解できない場合は何度も読み込んでいきましょう。

ぜひ最後までご覧ください。

目次

不動産会社で仲介手数料がかかる仕組みを理解しよう

「仲介手数料が無料になるのはなぜ?」ということを説明するためには、根本的な仲介手数料や不動産会社の仕組みを理解する必要があります。

まずは、不動産会社で仲介手数料がかかる仕組みを理解していきましょう。

そもそも仲介手数料って何?

仲介手数料とは、賃貸物件の取引の成立に対して不動産会社へ支払うお金のことです。

賃貸物件の取引の成立までには、物件の案内・契約条件の交渉・契約の締結などが挙げられます。

要するに1組のお客様が、お部屋探しのお問い合わせから新居の鍵をお渡しするまでの紹介料として、仲介手数料が発生します。

賃貸物件の成約までには1組あたり約1~2ヶ月と長い期間がかかります。

また契約の締結には、国家資格である宅地建物取引士でなければ行うことができません。

不動産会社は1組のお客様に対して、たくさんの時間も労力もかけていることが分かりますね。

仲介手数料の上限は賃料の1ヶ月+消費税まで

「仲介手数料って上限は決まっているの?」と疑問に思った人もいるかもしれませんが、仲介手数料の上限額は、賃料の1ヶ月分+消費税まで法律で定められています。

ここで注目するのは、上限額が定められているだけなので、仲介手数料は半額でも無料でも良いということなります。

そのため、『仲介手数料無料の不動産会社』も『仲介手数料が上限額の賃料の1ヶ月分+消費税かかる不動産会社』も存在するということになります。

ちなみに仲介手数料は、”成果報酬”なので、取引の成立がなければ1円もかかりません。

そこまで悪徳な業者はいないはずですが、相談手数料や物件案内料を請求してくる不動産会社がいたら依頼するのはやめておきましょう(笑)

不動産会社で働く人しか知らない『レインズ』とは?

さて、ここからは不動産会社で働かなければ知り得ない情報を紹介していきます。

やや複雑な話になるので、図を使いながら解説していきます。

初めて聞いた言葉と感じた方がほとんどだと思いますが、『レインズ(不動産流通機構)』 という不動産会社の人しか見れない不動産ネットワークがあります。

簡単に言い換えると、不動産会社専用の物件情報サイトです。

分かりやすくざっくりとした流れを説明していきます。

  • 貸主(物件を貸したい人)が不動産会社A(管理会社)へ募集の依頼を行う
  • 不動産会社Aが貸主の所有している物件情報をレインズに登録
  • 不動産会社B(仲介会社)がレインズにある物件を借主(物件を探している人)へ紹介
  • 取引が成立したら借主から不動産会社Bへ仲介手数料を支払う

日本の法律では、不動産会社Aが貸主から募集の依頼を受けた場合には、ある一定期間内にレインズへ登録しなければならないと定められています。

そのため北は北海道・南は沖縄まで日本中の物件情報がこの『レインズ(不動産流通機構)』に登録されており、どの不動産会社でも『レインズ(不動産流通機構)』で検索をして、借主(お部屋探しをしている人)へ紹介していることになります。

つまり、不動産会社Cでも不動産会社Dでも同じデータベースを見ているため、紹介できる物件は全く同じです。

たまに”物件数No.1”という看板を出している不動産会社がありますが、上記の仕組みをを理解した人であれば、「何を言っているんだろう??」となりますね、、笑

ここまで理解していただけましたでしょうか?非常に難しい話なので、よく分からなかっ方は図と説明文をもう一度読み返しをお願いします。

次のセクションで仲介手数料無料の不動産会社が存在する理由を解説していきますが、この不動産会社の仕組みを理解してはじめて、「なるほど!」と納得していただけるはずです!

仲介手数料無料の不動産会社が存在する2つの理由

仲介手数料無料の不動産会社が存在する2つの理由

いよいよ本題です!ここからは、仲介手数料無料の不動産会社が存在する2つの理由を解説していきます。

ただここも小難しい内容なので、図を使いながら説明していきます。

先ほどお伝えした『レインズ』の仕組みをを理解しているのであれば、すぐに「そうだったのか!」と分かっていただけるでしょう。

『レインズ』の仕組みだからこそ無料になる

1つ目の理由は、『レインズ(不動産流通機構)』の仕組みだからこそ無料になるからです。

詳しく説明していきます。

上記の図1では不動産会社が2社存在していましたが、図3では不動産会社が1社しか登場していません。

勘のいい方であれば、もうお気付きかもしれませんね。

図1は不動産会社Aが貸主から『業務委託料』(貸主から不動産会社へ支払う紹介料)をもらい、不動産会社Bは借主から仲介手数料をもらっていました。

図1が不動産会社での取引の一般的なビジネスモデルなのですが、まれに図3のように管理会社と仲介会社が同じケースがあります。

これはどういうことかというと、不動産会社Eは賃貸物件の取引を成立したときに貸主から業務委託料、借主から仲介手数料、両方から報酬をもらえるということです。

これを”両手仲介”と呼びます。

もちろん不動産会社Eは報酬を貸主・借主からもらうケースもありますが、「もう少し安かったら決めたいな、、」と契約を迷っている借主(お部屋探しをしている人)がいたとしたら、「貸主から報酬をもらえるし、もし仲介手数料無料にして申込をしてくれるなら!」という理由で、”仲介手数料無料”に値下げするパターンが多いでしょう。

不動産会社Eでも貸主の部署と借主の部署が分かれている会社では、上記のように仲介手数料無料になるケースは少ないです。

貸主からの『広告料(AD)』と呼ばれるキャッシュバック

2つ目の理由は、貸主からの『広告料(AD)』と呼ばれるキャッシュバックです。

こちらも言葉だけだと分かりにくいので、図で解説していきます。

賃貸物件の取引には『広告料(AD)』というものが存在します。これは貸主が自由に設定できる”お金(報酬)”です。

具体的には、図のように「早く次の入居者を決めてほしいから『広告料(AD)』として賃料の1ヶ月分を仲介会社へ支払うよ」というケースが一般的でしょう。

この『広告料(AD)』が設定している物件は、仲介会社からすると借主から仲介手数料とは別に貸主から報酬をもらうことになります。

そうなると、『レインズ』の仕組みだからこそ無料になるで解説した理屈と同じように仲介手数料無料になるということになります。

仲介手数料無料の不動産会社を選ぶデメリット3つ

仲介手数料無料の不動産会社を選ぶデメリット3つ

ここまで、仲介手数料が無料になる仕組みと理由を解説してきました。

仲介手数料が無料になるのは、非常に魅力的ですよね!!家賃が10万円であれば、10万円+消費税が無料になるわけですから!

ただし意外と認知されていませんが、仲介手数料無料の不動産会社を選ぶデメリットがあるのも事実です。

大きく分けて3つ考えられるので、引き続き紹介していきます。

紹介される物件が限られる

まず考えられる一番のデメリットは、紹介される物件が限られることです。

どいうことかというと、先ほども少し話をしましたが、仲介手数料が無料になるケースは、基本的に図3か図4の場合のみで、不動産会社での取引の一般的なビジネスモデルはあくまで図1です。

つまり、「弊社の物件は全て仲介手数料無料!と謳っている不動産会社は、図3か図4のケースの物件しか紹介しないということになります。

特に図4のケースは必ずしもではないですが、空室期間が長い・あまり人気がない物件に広告料を設定するケースが多いです。(※投資系のハイグレード物件では空室率の低さが良いとされるので人気物件でも広告料が付いているケースが多いです)

そのため自分の希望条件を不動産会社に伝えても、仲介手数料が1ヶ月+消費税の不動産会社と比べて、紹介される物件が限られてしまう可能性が高くなります。

貸主に対しての交渉が通りにくくなる

次に考えられるデメリットは、貸主に対しての交渉が通りにくくなるです。

繰り返しになりますが、仲介手数料が無料になるケースは図3と図4のみです。ということは、不動産会社は報酬を借主ではなく、貸主からもらうということになります。

そのため不動産会社からすると借主の意見ではなく、貸主の意見が反映されやすくなるので、賃料交渉や家賃発生日を後ろ倒しにする交渉などは、全て通りにくくなります。

契約後や退去時にトラブルになりやすい

見落としがちですが、サービスの質の低下により、契約後や退去時にトラブルになりやすいことも考えられます。

みなさん質問ですが、あなたがAさんとBさんに全く同じ仕事を行うと仮定して、「Aさんからはお金がもらえる」・「Bさんからはお金がもらえない」という状況だったすると、どちらの仕事を一生懸命取り組みますか?

ここで「AさんもBさんも同じ仕事だから、どちらも一生懸命取り組みますよ」という方がいらっしゃれば、本当に素晴らしい人格者の方だと思います。

ただ、やっぱりそうは言っても、私たちは損得で考えて行動してしまう生き物です。おそらく9割以上の方が、”Aさん”と答えるのではないでしょうか。

これは不動産会社で働いてる人にも同じことが言えますよね。そうなると借主に対してのサービスの質が低下してしまうことは容易に想像できるはずです、、、

契約書の説明不足や確認不足で、契約後や退去時に「そんなの知らなかった、、」とトラブルが起きる可能性が高いかもしれません。

私の接客したお客様でも、過去に仲介手数料無料の不動産会社とトラブルになったという人と何人も会ってきました

こまで仲介手数料無料の不動産会社を選ぶデメリットを説明してきましたが、ここでお伝えしたいのは、残念ながら、借主であるみなさんは広告料が設定あるかは分からないということです。

レインズは不動産会社しか見れないという特性がある以上、どうしても避けられません。。

そのため「物件をより多くの選択肢から選びたい」「サービスの質を求めたい」という方は、仲介手数料の割引を行っていない不動産会社へ行くことをおすすめします。

ただし上記のリスクを知ったうえで「それでもできるだけお部屋探しの費用を抑えるたい!」という方は、仲介手数料無料の不動産会社へ行く選択を取るのも全然OKです!

あくまでこれまでに挙げたデメリットは想定されるもので、私も仲介手数無料の不動産会社の方と何度も取引をしていますが、「お部屋探しをされているお客様のことを一番に考えている」という素晴らしい営業マンがいらっしゃるのも事実です。

以上です。

おそらく一度読んだだけは良く分からない内容だと思うので、理解するまで何度も読み返してくださいね。

きっときちんと理解していただければ、あなたとお部屋探しの考え方は180度変わるはずですよ!

それではまたお会いしましょう( ;∀;)

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この記事を書いた人

不動産営業マン→システムエンジニア→Webマーケター
保有資格は宅地建物取引士・FP2級・簿記2級
宅建合格×不動産スキル獲得サロン『RENFREE』を運営中

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