お部屋探しを行う際には、物件の間取りや立地だけではなく、お金の面も考えなければなりませんよね。
その中でも、賃貸契約の初期費用は家賃の何倍もの金額がかかるため、慎重に検討しなければならないでしょう。
- 初期費用でかかる金額の内訳を教えてほしい。。
- 賃貸契約の初期費用の相場って一体どれくらいなの?
- 初期費用は安く抑えるおすすめの方法が知りたい、、
賃貸契約の初期費用に関して、上記のような不安や疑問を持っている人もきっと多いはず。
そこで今回は、【賃貸契約のお金】初期費用の内訳と安く抑えるおすすめの方法5つというテーマで話を進めていきます。
- 賃貸仲介・賃貸管理・売買仲介など約7年の実務経験あり
- 宅地建物取引士・FP2級・簿記2級を保有しています
- フリーランス宅建士として『ひろポンプ不動産』を運営中
これから紹介するポイントを覚えて実践するだけで、トータル家賃1ヶ月分以上の費用を抑えることも夢ではありません。
また記事の後半では、初期費用を抑えた後に気を付けるべきポイントも詳しく解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
賃貸契約でかかる初期費用の内訳と相場
まずは、賃貸契約でかかる初期費用の内訳と相場からお伝えしていきます。
一般的な初期費用の内訳は以下の通りです。
- 礼金
- 敷金
- 前家賃
- 仲介手数料
- 保証会社利用料
- 鍵交換費用
- 火災保険料
初期費用の相場としては、家賃の約5倍と言われています。
「え?そんなにお金払うの?」と感じた人が大多数かかもしれませんが、賃貸物件に住むとなったら大金が必要になるのが現実です。
ここからは、それぞれの項目を詳しくご説明していきます。
礼金
礼金は、家賃1カ月分が相場です。
部屋を所有する大家さんに対して、お礼の意味を込めて支払うお金を指します。
敷金
”預け金”として大家さんに支払います。家賃の不払い時などに備えて、徴収されるお金です。
契約を終えて部屋を退去するときの原状回復費用に充てられ、差し引かれた金額が戻ってきます。
前家賃
前家賃は、入居する日~月末までの家賃+翌月の家賃の1ヶ月分が目安です。
入居する月の家賃を前払いで支払います。
例えば1月20日から入居開始となった場合は、『1月20日~1月31日の12日分』と『2月の丸々1ヶ月分』の家賃を予め初期費用として支払うイメージです。
仲介手数料
仲介手数料は、家賃の1カ月分+税が相場です。
物件の案内や契約手続きを行った不動産会社に支払うお金のことを指します。
ちなみに仲介手数料の上限は法律で、『家賃の1カ月分』と決められているため、それ以上かかることはありません。
保証会社利用料
保証会社利用料は、家賃+共益費0.5カ月が目安です。
家賃保証会社を利用する場合に支払うお金で、契約が終了しても返還されません。
万が一、家賃を払えなくなった場合の備えになるお金です。
連帯保証人がいれば不要なケースもあります。
鍵交換費用
鍵交換費用は、15,000円~25,000円+税が相場です。
入居時のタイミングで新品の鍵へと交換する費用で、賃借人が負担することが一般的です。
オートロックと連動している鍵の場合は、より高額になるケースもあります。
火災保険料
火災保険の相場は、単身者用の物件で15,000円~20,000円、カップル・ファミリー用の物件で20,000円~25,000円。
火災や水漏れトラブルなどに備えて、損害保険に加入する必要があり、損害保険会社に支払います。
不動産会社に指定された保険ではなく、個人で選んだ保険に加入が可能なケースもありますが、その場合加入証明の提出が必要です。
ざっと挙げると上記のような初期費用がかかります。
上記の費用を全て合計すると、だいたい家賃の約5倍ぐらいの金額になる計算です!
賃貸契約の初期費用を安く抑えるおすすめの方法5つ
ここまでは、賃貸契約でかかる初期費用の内訳と相場をご紹介してきました。
あくまで一般的にかかってしまう費用なだけであって、様々なアプローチを駆使して初期費用を安くすることが可能です。
ここからは具体的に賃貸契約にかかる初期費用を安く抑えるおすすめの方法5つをピックアップしていきます。
礼金0ヶ月・敷金0ヶ月物件を探す
先ほど礼金・敷金は目安として1ヶ月かかるとお伝えしましたが、物件の中には、礼金・敷金のどちらかが、もしくは、どちらも0ヶ月のケースがあります。
理由は一概に断定できませんが、「できるだけ空室期間をなくして家賃収入がほしい!」と考えている大家さんが所有している物件に多い印象です。
SUUMOの検索機能を使用したり、不動産会社の担当の方に聞いてみたりして、該当する物件を探してみましょう!
フリーレント付き物件を探す
フリーレントとは、『入居後の一定期間の家賃が無料になる』という意味です。
フリーレント付き物件の場合、通常入居してから1か月間、家賃が無料とされることが多いです。
こちらも礼金0ヶ月・敷金0ヶ月と同様に、大家さんが家賃の値下げや空室期間が長くなるのリスクを抱えるよりは、無料期間を設けて物件を借りてもらいやすくしようという狙いがあるからでしょう。
仲介手数料が少ないor無料の物件を探す
先ほど、仲介手数料は法律で上限は”家賃の1ヶ月分”と決められているとお伝えしましたが、あくまで上限は”家賃の1ヶ月分”ですので、半額でも無料でも良いわけです。
実際に、仲介手数料が半額or無料で物件を紹介してくれる不動産会社も存在するため、初期費用をできるだけ抑えたい方はこういった不動産会社を探して、物件を見つけるようにしましょう。
家賃発生日を伸ばす
都内で物件を探す場合、申込をしてから約2週間後には家賃が発生してしまいます。
すぐに引っ越しできる人は良いですが、「そんなにすぐに動けないし、住んでいない期間の家賃の支払いが無駄・・」と感じる人が大多数かと思います。
その場合は、家賃発生日を交渉してみましょう!
交渉次第では、申込をしてから3~4週間伸ばせることが多いです。
具体的に例を挙げると、10万円の家賃の物件で、2週間家賃発生日を伸ばせたとすると、『100,000円(家賃)÷30(1日あたり)×14(2週間)=46,667円』となり、初期費用もかなり抑えられるはずです。
分割払いにする
上記の方法を使っても支払いが難しいという人は、クレジットカートを使って分割払いするようにしましょう。
最近では、初期費用をクレジットカードで支払いOKという不動産会社も増えてきています。
直接的な初期費用を抑える方法ではないかもしれませんが、一時的な負担は抑えられます。
またクレジットカードを使うことによって、ポイントがたまるのも嬉しいですね!
初期費用を安く抑えた後に気を付けるべきポイント4つ
賃貸契約にかかる初期費用を安く抑えるおすすめの方法5つを実践すれば、高確率でお金がかからず済むはずです。
「やったー!!初期費用が安くなったー!!」と大喜びするのはちょっと待ってください。
支払うべきお金が減ったということは、それなりに認識しておかなければならないリスクや確認しておいた方がいいポイントがいくつかあります。
もちろん納得した上で、賃貸物件を契約すれば何も問題もありません。
ここからは、初期費用を抑えた後に気を付けるべきポイント4つを解説していきます。
短期解約違約金
礼金0ヶ月やフリーレント付きの物件の場合、一定期間内の解約に対して短期解約違約金が発生する場合があります。
こちらは大家さんの「初期費用を安くしたんだから、少しでも長く住んでね」という意味合いがあるためです。
具体的な例でいうと「契約開始から1年未満で解約の場合、賃料の1ヶ月分が短期解約違約金としてかかる」と記載されているケースが多々あります。
もちろん「長く住みたい!」という希望で物件を選ぶのであれば、問題はないと思いますが、転勤ですぐに解約しなければならないなど、やむを得ない事情でも違約金が発生してしまうので、必ず契約前に確認しておきましょう。
敷金積み増し・償却
敷金には『積み増し』と『償却』という概念が存在します。
『積み増し』とは「通常、家賃の1ヶ月分かかるが、”ある条件”の契約の場合、追加でもう1ヶ月分かかる」というものです。
ここでいう”ある条件”は「ペットを飼う場合」や「喫煙者の場合」のことを指すことが多いです。
『償却』とは「敷金が契約を終えて部屋を退去するときの原状回復費用に充てられ、差し引かれた金額が残っても戻ってこない」ものです。
具体的には、「敷金1ヶ月・(償却1ヶ月)」と記載されていることが一般的です。
どちらも大家さんの退去時の原状回復費用のリスクヘッジとして、追加費用がかかるケースです。
こちらも必ず契約前に不動産会社へ質問して、確認しておきましょう。
退去時費用の有無
物件の中には、退去時に追加で費用がかかるものがあります。
基本的には、『賃貸契約時に上記でまとめた初期費用を大家さん・不動産会社へ支払いを行い、退去時には預けている敷金から原状回復工事が差し引かれて残額が戻ってくる』という仕組みです。
しかし、上記で紹介した敷金0ヶ月物件だと、もともと預け金として敷金を支払っていないため、”退去時クリーニング費用”が通常よりも高額になることや、別途で”室内消毒代”・”害虫駆除サービス代”などの名目で請求される可能性があります。
こちらも契約前に退去時費用の有無を確認しておきましょう。
仲介手数料が少ないor無料の不動産会社
仲介手数料を半額・無料で行っている不動産会社でも注意が必要です。
仲介手数料を満額(家賃の1ヶ月分)で賃借人からもらっている不動産会社もある中で、仲介手数料を半額・無料で行っている不動会社は、サービスが物足りなかったり、契約後のトラブルが多かったりという可能性があります。
もちろん一概に仲介手数料を割引している不動産会社のサービスが悪いとは言えません。(私も実際に仲介手数料を割引している会社でもサービスの質が高い素晴らしい営業マンの方々を度々見てきたので)
とはいえ、上記で説明したリスクも存在します。物件提案時や内見時に「この営業マンちょっと信用できないかも」と思ったら、すぐに別の不動産会社にも行ってみましょう。
また仲介手数料の有無は、契約前だとトラブルになることがあるので、問い合わせの電話やメール、受付の時点で不動産会社へ「御社の仲手数料はいくらですか?」と確認しておきましょう。
以上です。
新生活を始めるには、これまで紹介した初期費用以外にも、引っ越し業者や家具・家電のお金がかかりますよね。
この記事を読んで賃貸契約の初期費用をできるだけ減らして、それ以外の部分でお金を使っていただけたら嬉しいです。
またどこかでお会いしましょう(*ノωノ)
コメント