こんにちは!ひろポンプです!
賃貸のお部屋探しを進めていくと、ごく稀に『事故物件』と呼ばれるものに出会う機会もあるでしょう。
「事故物件は家賃が安いから住んでみたい!」と希望する方も中にはいるかもしれませんが、きっと大多数の方が「事故物件には住みたくない、、」という意見のはず。
- 事故物件の具体的な調べ方や見極め方が知りたい。。
- 告知義務で事故物件かどうか教えてくれるって本当?
- よく耳にする”心理的瑕疵”の意味を教えてほしい、、
事故物件に関して、上記のような不安や疑問を抱える方も少なくないですよね。
そこで今回は、【事故物件の簡単な見分け方】賃貸の告知義務ルールと心理的瑕疵の定義というテーマで話を進めていきます。
- 賃貸仲介・賃貸管理・売買仲介など約7年の実務経験あり
- 宅地建物取引士・FP2級・簿記2級を保有しています
- フリーランス宅建士として『ひろポンプ不動産』を運営中
いきなり残念なお知らせですが、「事故物件と知らずに契約して、ずっと住み続けてしまう」なんてことも、現在の日本の法律では十分に起こり得ます。
不快な想いをしないために、今回お伝えする事故物件の簡単な見分け方を、お部屋探しの最中で実践していきましょう。
不動産業界で得たノウハウを包み隠さず、全て公開していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
事故物件でよく聞く『心理的瑕疵』ってなに?
ひとまとめに「事故物件」といっても具体的にどういったものを指すのかみなさんご存じでしょうか?
- 人が亡くなっていたらそれは事故物件だと思う、、
- 心霊現象がよく起きる物件は事故物件のはず、、
- よく耳にする『心理的瑕疵』が事故物件に該当するのかな、、
などなど、なんとなくは分かるけど、自分以外の人に説明するのは難しいと感じる方が多いのはないでしょうか。
まずは「事故物件」とはどういったものかを説明していきます。
事故物件は大きく分けて4種類ある
一口に「事故物件」といっても、大きく分けて実は4種類あります。
下記のいずれかに該当するのが、いわゆる「事故物件」と呼ばれるものです。
- 物理的瑕疵
- 法律的瑕疵
- 環境的瑕疵
- 心理的瑕疵
「人が亡くなっている」「心霊現象が起きる」などのみなさんが想像される事故物件は『心理的瑕疵』に該当します。
心理的瑕疵とは『心理的な欠陥(キズ)』を表す
「私が想像している『事故物件』は、『心理的瑕疵』に該当することは分かったけど、『心理的瑕疵』って結局なんなの?」と疑問に思った方も多いはずですよね。
一言でお伝えするのであれば、心理的瑕疵とは『心理的な欠陥(キズ)』です。
物に欠陥(キズ)があれば、物の価値は当然損なわれますよね?
例えば「雨漏りをしている物件」には、「雨漏り」という欠陥(キズ)があるので、物件の価値は損なわれるでしょう。
ここでポイントは物の欠陥(キズ)というのは「物理的なもの」だけではなく、「心理的なもの」も含まれるということです。
そのため「人が亡くなっている物件」は心理的な欠陥(キズ)によって、物件の価値が損なわれているといえます。
心理的瑕疵にあたる基準
ここからは具体的にどういった基準で心理的瑕疵にあたるのかどうかを判断していくのかを見ていきましょう。
結論からお伝えすると「コレっ!!」という明確な基準は存在しないです。
理由は、不動産取引における心理的瑕疵というのは、一般的に自殺や殺人などに対する嫌悪感を指すことは間違いないのですが、過去の事故・事件への感じ方やとらえた方は人によって異なるためです。
具体例でいうと、約70年前に東京大空襲でたくさんの方が亡くなっていますが、現在では東京大空襲が起きた範囲にたくさんの方が東京に住んでいます。
ここで質問ですが、東京大空襲が起きた範囲に住んでいる全員が嫌悪感を抱えながら生活をしているのでしょうか?
答えは”NO”だと思います。
ただそうはいっても心理的瑕疵における事故物件についての契約のトラブルは多く発生していますよね。そのため”法的な観点の”基準は存在します。
それはそれぞれの人が主観的に内心でどのように感じたのではなく、通常一般人においてそのような事由があったとき住み心地のよさを欠くと感じることに合理性があるかどうかによって判断するものです。
つまりそれぞれの人が主観的に内心でどのように感じたかによって判断されるのではなないということです。
心理的瑕疵に該当する基準については、法律的な解釈があるため非常に複雑です。
そのため「ちょっと何言ってるか分からない。。」と感じる方がいらっしゃっても無理はありません。
ここでの内容理解はなんとなくのレベルでOKです。
ここから最もお伝えしたい内容の話に入っていくので、引き続き気にせずに読み進めましょう!
事故物件には告知義務が発生するって本当?
ここまで「事故物件」とはどういったものが該当するのか、「心理的瑕疵」とはどういう意味なのかを解説してきました。
ここからは実際にみなさんがお部屋探しをしていく上で賃貸物件を契約するかどうかの意思決定に大きな影響を与える事故物件の告知義務について話を進めていきます。
事故直後の物件には説明義務が発生する
賃貸物件の賃貸人(オーナー)や不動産仲介会社は、物件を借りようとしている賃借希望者に対して、賃借の意思を決定するにあたり重要な影響を及ぼす事項について、契約締結前に情報を提供しなければならないとされています。
これが告知義務(説明義務)です。
もっと分かりやすくいうと、自殺や殺人などの事故・事件が起きてしまった物件で、その事故・事件の直後にその物件を借りたいという人に対して、その事故・事件について説明しなければならないということです。
もしあなたがそういった物件を借りたいという場合には、しっかりとその賃貸物件の賃貸人(オーナー)や不動産仲介会社から説明を受けて、納得した上で契約を締結するようにしましょう。
事故後3年間が経過すると説明義務はなくなる
事故物件には絶対に住みたくないという人が気をつけなければならないのは、「時間の経過とともに説明義務はなくなる」ということです。
例をあげると、都心の単身者用のマンションで自殺があった場合、自殺の態様や地域性、周知の状況によって異なりますが、事故後3年後に説明義務がなくなるとされています。
これは先ほど説明した一個人の主観ではなく、社会一般的に見て、時間の経過とともに事故・事件の嫌悪感が薄まっていくと考えられるからです。
その他で説明義務が発生しないケース
時間の経過以外で説明義務が発生しないケースがいくつか存在します。
以下の通りです。
自然死・孤独死
通常の一般的な自然死・孤独死は心理的瑕疵にはあたらず、その後に賃借しようとしている顧客にも説明義務は発生しないとされています。
ちなみに過去の判例で「室内での自然死自体について嫌悪感がある事象と捉えることは、人として容認することができない」とされたこともあるくらいです。
「え?室内で自然死してても教えてくれないの?」と個人的にも思いますが、、、
住居が人間の生活の本拠である以上、突然に心筋梗塞が発症して亡くなる、あるいは自宅療養中に亡くなることなどは、当然に予想されることとなっているようですね。
ただし人が死亡した後に遺体が放置されて長期間が経過した場合、遺体が腐食し床や壁に異臭が染みついて容易に脱臭できなくなり、物件の価値を下げることになるので、心理的瑕疵になる場合があるとされています。
二次賃借人に対する説明
賃貸物件で起きた自殺に対する嫌悪感は、その自殺後にその賃貸物件で別の人が生活を営むことによって風化し、消滅すると考えられています。
そのため自殺が起きた後に、次の賃借人(一次賃借人)が賃借してある程度の期間で生活を営めば、その一次賃借人が退去した後の二次賃借人の募集にあたっては自殺事故があった旨を説明すべき義務はないとされています。
ちなみに「一瞬でも誰かが住めば説明義務ってなくなるんですか?」と実際のお部屋探しをされているお客様から聞かれたことが多いのですが、一次賃借人がごく短期間で退去した場合は別論であって、説明義務は消滅しないものとするというのが一般的な解釈です。
マンションの一室での自殺に関して、両隣や上下階の住戸の賃借希望者への説明
マンションなどの共同住宅の一室での自殺に関して、自殺による嫌悪感が認められるのは、一般的に自殺があったその住戸のみに限られています。
そのためマンションの一室で自殺があった場合、その住戸の両隣や上下階を含めて、他の住戸を賃貸するにあたって、自殺の事実を説明する義務はないとされています。
賃貸で事故物件かどうか確認する簡単な見分け方
ここまで「事故物件の告知義務」について解説してきました。
「告知義務って発生しないもんなんだ、、もしかしたら自殺や殺人が過去に起きた部屋と知らず契約してしまうかも、、」と不安になってしまった方も多いと思います。
先ほど紹介した事例はあくまで法的な観点で心理的瑕疵に該当するかどうかの判断基準です。
ここからは「両隣や上下階の住戸で過去に事故・事件があったか」「3年以上前にその室内で事故・事件があったか」などの賃貸で事故物件かどうか確認する簡単な見分け方を解説していきます。
不動産仲介会社へ確認の依頼を行う
まずはお部屋探しをお願いしている不動産仲介会社へ確認の依頼を行うことです。
方法は簡単です。「この物件が気になるんですけど、賃貸人(オーナー)や管理会社へ過去に何か事故・事件があったかどうか確認してもらえませんか?」と言えばいいだけです。
基本的にこれを言えば確認してくれます。
もしそれで確認してくれないのであれば、別の不動産会社に変えた方がいいですね(笑)
『大島てる』を確認すれば問題ナシ!
より簡単な方法かつ正確な情報を得る方法があります。それは『大島てる』を確認することです!
正直にお伝えすると『大島てる』は数多くの不動産会社で利用されています。お部屋探しのプロであった私でも知らない情報がたくさん載っているからです。
先ほども紹介しましたが、直近3年以内の事故・事件でなければ賃貸人(オーナー)や不動産管理会社の説明義務は発生しません。
「本当は知っているけど教えてくれない」というなんとも不誠実なことも起きてしまう可能性があるということです。
この『大島てる』は住所さえ分かれば無料で事故物件かどうか調べることができるので、ぜひ活用してみてください!
住所を入力して検索を押すと物件が表示されます。黄色とオレンジの炎があると過去に何かしらの事故・事件があった証拠です。
黄色とオレンジの炎がメラメラと燃えていなければ問題ナシですので、気になる物件があったら住所を入力して検索してみましょう!
今住んでいる物件が事故物件か気になる人は自分の家の住所の入力してみるのもよいかもしれません。
ただしもしものことがあったとき私は責任とりませんよ、、、(笑)
物件周辺のご近所さんに聞き取り調査
基本的に「不動産会社に確認を依頼する」と「大島てるを確認する」で十分なのですが、それでも不安な方は物件周辺のご近所さんに聞き取り調査が最も効果的な方法です。
逆に「不動産会社に確認を依頼する」と「大島てるを確認する」以上に調べる方法がこれしかないですね。
自分が入居したい物件の周辺のご近所さんへ「過去に事故・事件がなかったか」を聞き取り調査していきましょう。
ネットには全く載っておらず、ご近所さんしか知り得ない情報が手に入るかもしれません。
ただ個人的にはここまでする必要がないかと思います。。
ご近所さんの情報もどこまで本当かどうか分からない部分もあるので。。
どうしても気になる方は実践してみてください。
以上です。
こういった記事の場合、どうしても法律用語が多くなってしまうので、私なりに分かりやすいように噛み砕いて説明いたしました。
この記事を読んで「事故物件について理解が深まったよ!」という方が一人でも多くいらっしゃったら嬉しいです。
それではまだ別の機会にお会いしましょう(^^♪
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