こんにちは!ひろポンプです。
お引っ越し時には、新居への入居手続きも諸々大変ですが、現在住んでいる物件の退去も行う必要があります。
しかし「想像以上に退去費用がかかってしまった。。」という声も自分の身の回りでチラホラ聞く機会も多いのではないでしょうか。
- 賃貸物件の退去費用の相場を教えてほしい、、
- 退去費用をできる安く抑える方法が知りたい。。
- 高額な退去費用を請求されたときの対処法は?
退去費用に関して、上記のような不安や疑問を持っている方が大勢いるかと思います。
そこで今回は、【賃貸物件の退去費用を安く抑える】高額請求されたときの対処法も伝授というテーマでお話を進めていきます。
- 賃貸仲介・賃貸管理・売買仲介など約7年の実務経験あり
- 宅地建物取引士・FP2級・簿記2級を保有しています
- フリーランス宅建士として『ひろポンプ不動産』を運営中
これからお伝えする内容を実行するかしないかで、何万~数十万単位で損をしない可能性も十分にあり得ます。
もちろん私が勤めていた不動産会社では不当な金額を請求したことはなかったですが、お客様の中には過去に別の不動産会社から高額請求をされ、「それくらいかかるものなのか」とそのまま支払ってしまった人もいらっしゃいました…
賃貸物件で初めて退去を控えている方も、お引越しが慣れている方もこの記事の内容を参考にして、退去費用を抑えられるようしていきましょう。
ぜひ最後までご覧ください。
【賃貸物件の退去費用の相場】なぜお金がかかる?
まずは、退去費用の相場をご紹介していきます。そもそもなぜ退去費用がかかるのでしょうか?
その仕組みや理由も分かりやすく解説していきます。
退去費用の平均相場を間取り別で紹介
退去費用の一般的な平均相場は以下の通りです。間取り別にまとめてみました。
- 1R・1K……30,000~50,000円
- 1DK・1LDK……60,000~80,000円
- 2LDK・3LDK……90,000~120,000円
入居年数や物件のエリア(都内か地方かなど)によって大きく異なることもありますが、目安としては上記の金額が相場でしょう。
実際に私も賃貸物件の退去立会行っていた際には、上記の金額で入居者へ退去費用の請求を実施していました。
退去費用は入居時に預けている敷金から差し引きをされ、敷金に残りがあればその金額が戻ってきます。
例えば、あなたが賃料10万円の賃貸物件に住んでいてると仮定します。
敷金を賃料の1ヶ月分である10万円を預け入れた場合、退去費用が4万円であれば、残りの6万円があなたのもとへ戻ってくる流れになります。
原状回復義務とは?
そもそもなぜ退去費用がかかるのでしょうか?その疑問を解説していきます。
賃貸物件を借りる際には、賃借人(お部屋を借りる人)は賃貸人(大家さん)に対して『原状回復義務』というものを負うことになります。
『原状回復義務』を国土交通省では、以下のように定義しています。
原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること
国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について
もっと簡単にいうと「賃借人(お部屋を借りる人)は、普通に住んでいて建物の設備が壊れてしまったり汚れてしまったりしたものに関しては、責任を負わなくても大丈夫。ただ賃借人(お部屋を借りる人)がわざともしくは不注意で壊してしまったり汚してしまったりしたものには関しては、責任を負ってお金を払ってもらいます。」というイメージです。
そして「わざともしくは不注意で壊してしまったり汚してしまったり」というのを、もう少し難しい言葉で『故意・過失』と呼びます。
この『故意・過失』の部分を賃借人(お部屋を借りていた人)は原状回復費用(退去費用)として賃貸人(大家さん)へお金を支払う必要があるということです。
具体的な例を見ていきましょう。賃借人負担になるケースとならないケースをそれぞれまとめてみました。
- 飲み物などをこぼしたことによるシミ
- 結露を放置して拡大したカビ
- 引っ越し作業などで付けてしまったひっかきキズ
- 家具を設置していたことによる床やカーペットなどのへこみや設置跡
- テレビや冷蔵庫等の後部壁面にある電気ヤケによる黒ずみ
- 壁等の画鋲、ピン等の穴で下地ボードの張り替えが不要な程度のもの
上記の例を見て分かるように、普通に住んでいたらどうしても発生してしまうものは賃借人負担にならず、賃貸人負担となります。
逆に賃借人の故意・過失で発生したものは賃借人負担となるので、覚えておきましょう!
退去費用を安く抑える方法をタイミング別で伝授
これまで、退去費用がかかる仕組みや理由を解説してきました。
ここからは具体的に退去費用を安く抑える方法をプロの私も実践していることを含めて伝授していきます。
より実生活に落とし込みやすいように、タイミング別に分けて解説を進めていきます。
入居前
まずは、『入居前』のタイミングで退去費用を抑えるための方法を紹介していきます。
もちろん後程に紹介する『入居中』と『退去時』のタイミングでも退去費用を抑える方法を紹介しますが、『入居前』の時点でほぼ100%退去費用が決まってしまうと言っても過言ではありません。
しっかりと確認していきましょう。
賃貸物件の契約前に契約書を確認する
当たり前かもしれませんが、必ず賃貸物件の契約前に契約書を確認するするようにしましょう。
「なんだ、、そんなことか、、もちろん確認してるよ、、」と思った方も多いかもしれませんが、大多数の方が見落としてます。
なぜ断言できるかというと、私が退去立会をした際にいつも感じていたことですが、9割以上の人が契約書の内容を忘れているからです。
ここでいう契約書の内容とはズバリ、『退去時の費用負担がどのように明記されているか』です。
先ほど紹介した原状回復義務の考え方で、「賃借人は普通に住んでいたらどうしても発生してしまう汚れ等は、賃借人負担ならず賃貸人負担になる」と解説しましたが、”ハウスクリーニング費用”と”エアコン内部洗浄費用”は特約で賃借人負担となると記載されていることが多いです。
現代の日本の不動産業界では、通例的な考えのため、契約前もしくは契約時に「ハウスクリーニング費用とエアコン内部洗浄費用は賃貸人負担にしてほしい!」と交渉するのは、現実的に難しいでしょう。。
ただしハウスクリーニング費用とエアコン内部洗浄費用以外で、賃借人負担になる特約が契約書に記載があるのであれば、必ず契約前に確認・交渉を積極的に行っていきましょう。
費用が高額だなとか感じた場合は、削除してほしい旨を伝えることをおすすめします。もちろんその交渉が通らないこと可能性の方が高いですが、言うのはタダです。
ちなみに契約書にサインをした時点で、「私はその特約を承諾しました」ということになりますから、退去時にその費用を請求されても何も文句は言えない状況なるのでご注意を。
『現状確認チェックリスト』へ細かく記入する
賃貸物件に入居する際に管理会社からもらう、物件の『現状確認チェックリスト』へ細かく記入するようにしましょう。
賃貸物件に住む場合、前の入居者が残したキズや不具合が多少あるはずです。
入居時に『現状確認チェックリスト』へそのキズや不具合を記入して管理会社へ提出しない場合、退去時にあなた付けたキズではないのにもかかわらず、請求されてしまうことケースも起こりうるでしょう。
自分の身を守るためにも、『現状確認チェックリスト』の項目を細かく確認して記入を行うだけではなく、そのキズや不具合の部分の写真を撮って退去のときまで保存しておくことのがベストです。
新築物件の場合でも不特定多数の人が内見などで出入りしています。
室内に小キズが付いている可能性が高いので、必ずチェックするようにしましょう。
入居中
ここからは、『入居中』に気を付けることです。
大きく分けて2つあります。
不具合が発生したらすぐ管理会社へ連絡
設備が使えなくなるなど、不具合が発生したらすぐに管理会社へ連絡するように徹底しましょう。
理由としては、『二次的な被害は賃借人負担』となってしまうからです!
例えば、エアコンが壊れて水漏れが発生し、それを放置したために床や壁が腐食した場合、その原状回復費用は賃借人負担となります。
ここでポイントは、エアコンが壊れてしまった段階で管理会社へ早急に連絡を行えばその原状回復費用は賃借人負担に限りなく低くなるということです。
「壊れたことを連絡したら私の負担になってしまうのでは?」と思い込んでしまい、連絡しない方もいると聞いたことがあるのですが、ここまで記事をご覧いただいたみなさんであれば、理解いただけますよね?
通常使用で室内の設備が壊れてしまった場合は、賃借人負担ではなく、賃貸人負担となります。
そんなことは一切気にせずに管理会社へすぐ連絡するようにしましょう。
掃除をして綺麗な状態を保つ
部屋の綺麗さは、毎日の掃除の積み重ねで維持することができます。
キッチンの油汚れや浴室の鏡のウロコ状の汚れは、1年1度の掃除で落とすのは容易ではありません。
少しでも汚れが気になったら、取返しが付かなくなる前に日常的に掃除をしていきましょう。
なぜこんなことをお伝えするかというと、上記のような通常の清掃では落ちない汚れは、ハウスクリーニングとは別途で請求される可能性があるためです。
退去時に別途で”特別洗浄費用”などの項目で請求されないように、掃除をして綺麗な状態を保つようにしていきましょう!
退去時
ここからは、『退去時』に退去費用を抑える方法を紹介します。
『退去時』には”退去立会”という、ハウスクリーニング業者もしくは管理会社の担当者の立ち合いのもと、室内のチェックや鍵の返却を行うのが一般的です。
基本的には退去立会時に退去費用が確定することが多いため、そこでのポイントを解説していきます。
掃除でできるだけ綺麗な状態にする
まずは退去立会の前に行う準備です!
先ほどの掃除をして綺麗な状態を保つと多少かぶってしまうのですが、『退去時』にも掃除でできるだけ綺麗な状態にするようにしましょう。
「結局敷金なんて全然返ってこないんだから、水回りやほこりもそのままでいいでしょ!」と思う方も多いかもしれませんが、退去費用を算出して請求するのは、その退去立会を行う一人の人間です。
汚い状態でお部屋を引き渡すよりも、綺麗な状態の方が良い印象を抱いてくれるはずです。(実際に私がそうでした、、笑)
退去立会をときに部屋が汚い人だと、「この人はきっと部屋を大切にしていないからキズとか汚れとか見落としがないようにちゃんとチェックしよう」と隅々まで確認していました。
逆に部屋が綺麗な場合だと、「この人はきっと部屋を大切に使ってくれたから、キズとか汚れもなさそうだな」と思ってチェックが若干甘くなることも少なくなかったですよ。
鏡のウロコ状の汚れは「クエン酸を使う」と簡単に落ちます。
またクロスのちょっとした汚れは、激落ちくんスポンジを水で濡らして軽くこすると落ちますよ!
契約書を準備して退去費用負担額を確認
退去立会時には、必ず契約書を準備してその契約書を見ながら退去費用の負担額が適正かどうか見極めることが大切です。
『入居時』のタイミングでお伝えしたした「賃貸物件の契約前に契約書を確認する」に繋がってくるのですが、契約時に取り交わした契約書を準備して請求された費用項目と見比べてみましょう。
契約書に書かれている内容が請求されていたら、その費用は負担することになりますが、記載のない項目が請求された場合は契約書の内容を提示して交渉すれば、取り下げてくれる確率がグッと上がるはずです。
もし高額な退去費用を請求されてしまったら?
ここからは、高額な退去費用を請求されてしまった場合の対処法をご紹介していきます。
基本的には、今までに紹介した退去費用を安く抑える方法をきちんと守っていただければ問題ありません。
ただし「契約書をなくしてしまった、、」など今から対応を進める方向けに解説していきます。
退去費用が高額となるケース
そもそも退去費用が高額となるケースはどういったものが考えられるのでしょうか。
3つのパータンに分けて、ご説明していきます。
ペット飼育の場合
もしあなたがペット禁止の物件でペットを飼っていた場合は、退去費用は非常に高額になると考えられます。
ただこればかりはどうしようもありません、、、ペット禁止なのにペットを飼っていたのわけですので、、、
そしてペット飼育OKの物件で、ペットを飼っていたとしても退去費用が通常通りの負担になることは少ないでしょう。ペット飼育の場合はほとんど敷金1ヶ月積み増し・1ヶ月償却と条件変更をして契約を行います。
敷金1ヶ月償却というのは、「1ヶ月分のお金は仮に敷金から退去費用を差し引いた金額で残りがあったとしても、賃借人には返金はありませんよ」という意味です。
ペットを飼う場合は、どちらにしても原状回復費用は高額となるケースがほとんどですね。
タバコ
タバコについても、退去費用が高額になるケースがほとんどです。
タバコを吸うことによって、壁紙のクロスにヤニ汚れや匂いが付着します。
タバコによるクロスの汚れや匂いは、クロス自体の貼替をしなければ取れないため、部屋全体にヤニ汚れや匂いがあった場合には、全面貼替となり、退去費用は高額になります。
こちらはペット飼育同様に、喫煙NGの物件でタバコを吸うと、費用負担は免れません。
おとなしく退去費用をお支払いして、次回からは気を付けるようにしましょう。
敷金0ヶ月の物件
基本的に敷金は1~2ヶ月の賃貸物件が多いのですが、稀に敷金0ヶ月の物件も存在します。
敷金0ヶ月の物件は初期費用を抑えられるという理由で人気なのですが、退去時には高額な費用が請求されるケースがあります。
理由としては、入居時に敷金をもらっていない代わりに、退去時に通常よりも高額なハウスクリーニング費用が設定されているケースが多いためです。
私の肌感覚ですが、最初に説明した退去費用の相場よりも1.5~2倍かかることが多い気がします。
ただこちらは、契約書に既に記載がされていることがほとんどなので、あなたがサインをしてしまっているのであれば、覆すのは難しいでしょう。
退去立会時の確認書には絶対サインしない!
ペットやタバコ以外の要因で高額請求をされた場合の対処をお伝えしていきます。
退去立会時に高額な退去費用を請求されたら、その場で確認書には絶対にサインしないようにしましょう。
確認書などにサインをしてしまうと、後から「やっぱり納得いかない!」と言ってもそれを覆すのは現実的に厳しくなるからです。
もし少しでも「この費用の請求はおかしい!」と思ったら、「一度持ち帰ります」と言って確認書の控えだけをもらうようにしましょう。
それがあなたの身を守る一番の方法です。
プロに相談して解決しよう
退去費用は様々なパターンがあり、あなた一人だけの知識で解決するのは無謀と言っていいでしょう。
ただしそういった場合は、一人で抱え込まず、プロに相談して解決するのが最も効果的な方法です。
下記がおすすめの相談窓口です。
もちろん弁護士へ相談でも構わないですが、上記の機関であれば無料で相談に乗ってもらえるので、まずは自分に起きたトラブルの事例を伝えてみましょう。
その後、管理会社へ「○○という機関・団体へ相談したのですが、、」という切り口で話を進めていけば、管理会社や賃貸人もトラブルは避けたいので、きっと折れてくれるはずです。
補足:知識武装したら敷金が全額返ってきました
今回ご紹介した方法を実践したら、なんと敷金が全額まるまる返ってきました!
あまりにも出来過ぎかもですが、きちんと知識を身につければ「敷金が1円も返金されてない…」のケースは避けられるはずです。
以上です。
預けた敷金はできるだけ多く返金してもらいたいと思うのは当然です。
この記事を読んで、あなたの敷金が1円でも多く返金されることを祈っています!
私のこの知識や経験が、問題解決に少しでもお役に立てていれば幸いです。
それではまたお会いしましょう(#^^#)
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